コロナ収束後の登山業界を考える

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みなさんお元気ですか?

コロナで緊急事態宣言が発令されて1ヶ月以上が過ぎました。
この間、どのように過ごされていましたか?

もちろん私も登山ガイド業を休んでいます。結構な損害です(涙)

でも、悲観してばかりいてもしょうがないので、コロナの後の登山業界について考えてみました。

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登山の自粛は続けるべき?

ぶっちゃけ、大衆の受けがいい言葉を使うのであれば、「命を守るために全て自粛しましょう」ってなるでしょうね。しかし、現実に山でコロナにかかるリスクは微々たるもの。もちろん0ではないでしょうが、低確率です。それより山でコロナにかかり死亡するより、山での遭難事故や道中の交通事故で死亡する確率がずっと高いと思います。私は物事は感情よりも確率で考え、決めるべきだと思っています。株で勉強させていただきました!

とういことは、基本的に登山自粛論者ではないということです。生きている以上何をしてもリスクはあります。ゼロになんてできっこない。

日本は行動を自分で決まられない人が多く、何かあるとすぐに行政のせいにする傾向があります。そうなると、行政はリスクのあることは全て止めてしまえ!となるでしょう。これまでの日本人の行動が跳ね返ってきているともいえなくもないような気がします。

同調圧力も強い。他の人と違う行動をする人を批判する傾向もあります。

そもそも、一般社会からは登山はパチンコ並みに不要不急の要件です。八ヶ岳のような事が続くと自粛解禁が遠のく可能性が出てきます。

納得できなくても、今後のために自粛しておくのがいいと思います。

私も大きな流れには逆らえず、登山ガイドを休業しているわけなのですが。

登山だけでなく、行動の自粛は経済的ダメージ(自殺を考慮)と併せて考えるべきです。基本的に自粛しようと発信している人は、豊かな人であるということで間違いありません。

登山の一律に自粛は意味がある?

例えば、感染者のほとんどいない地域の方が、その地域の山を登るにはなんの問題もないと思います。医療崩壊がって言っている方もいますが、感染者がいない地域のコロナ医療が逼迫しているとは思えませんから。(間違っていたらすいません。)

でも、どこまでならOKっていう基準を作るのは難しいから、一律で自粛っていうことになるのかな? こういった物事は人口の多い都会をベースに決められるから、感染者のいない地方の人は同意できない部分もあると思います。

じゃあハイキングはいいの? トレランはいいの? 登山とハイキングの境界は? ってなると難しいですね。早く自治体(山域)ごとに決めて欲しい。山は自治体の境にあることが多いので、山の東西や南北で自治体が違うと対応が違うなんてことがないようにしないといけないし。

これまでのような登山ができるのか?

コロナ後の登山

幸いにもコロナがある程度収まったとします。そして社会活動&観光として従来のようなコロナ以前に戻れると思いますか? 私は不可能かと思います。それにはいい意味と悪い意味があります。

今までの日本の登山の悪弊や良くない慣習を変えるチャンスでもあります。私は日本中・世界中の山を歩いてきたので、客観的に日本の登山界を見ている方だと思います。

登山者の多い山

山の混雑を減らすために、アルプスや富士山などでは寄付ではない入山料を徴収したらどうでしょうか。
多少高くてもいいので、登山道の整備、レスキュー体制の確率、環境保全などの予算にします。定員を超過した場合は入山不可でいいと思います。その方が快適な登山と自然が楽しめます。多少高くなっても登山者にはいいことではないでしょうか?

世界を見ると、入山料(国立公園使用料)を徴収している国は結構ありますからね。

山小屋の今後

日本の山小屋の環境は世界と比べると劣悪です。富士山や繁忙期の北アルプスの山小屋に宿泊したことある方なら、納得かと思います。一つの布団で複数人が寝て、足の踏み場もないほどにギュウギュウ詰め。10畳ほどの部屋に30人近くが寝ることもあります。色んな国の山小屋に泊まりましたが、最悪なのは、日本の山小屋です。
※日本の山小屋を非難しているわけではありません。こういった文化なだけです。

従来の山小屋は基本的に予約なしでも宿泊できます。来た登山者を全て受け入れる方針ですからね。
改善するとすれば、定員を設け、予約制にする。これに尽きると思います。

ということは、定員制にすれば山小屋の料金はきっと高騰します。となると、次はテントサイトが混雑するでしょうから、テントサイトも予約制にがいいと思います。

私は、上記のような変化があればいいなぁと思っています。ぎゅうぎゅうの山小屋やテントサイトは大嫌いです。苦痛でしかありません。自然破壊やオーバーユースに繋がりますからね。

そして、日本はキャンセルに甘いので、クレジットカードなどで予約金を支払ってからの成立にすればいい。海外の山小屋なんて予約と同時や90日も前からキャンセル料をとる所だってあります。

天気予報を見て山に入るということが難しくなりますね。。。

個人登山者の今後

今後、個人の登山者に求められのは、事故を起こさない、可能な限りのセルフレスキューなど、自立した登山者になることでしょう。

登山者には2つのタイプがあると思います。
・準備や情報を集めず、トレーニングと装備不足の無謀な登山。
・しっかっりと準備やトレーニングをし、必要な装備を揃えた登山者がリスクを把握した上で望む登山。

前者のような安易な入山者には罰金を取るくらいの事をしてもいいかと。

私はいろんな発信をして、前者のような登山者を減らしたい。

国内ツアー登山の今後

私がプロデュースしているツアー登山もありますが、どこの会社もしばらくの間は厳しいでしょうね。
特に富士山の登山団体ツアーなんていうのは、これまでが異常だったということになるのではないでしょうか?

団体で動くことのアレルギーが一定期間は残るはずです。そして、ツアー中に感染が発生すれば。。。会社という看板を背負う以上、簡単に動けないでしょう。

当面の間は、自粛解除されても定員を減らしたりした対応が必要となるでしょう。山小屋を利用するツアーは難しいでしょう(オープンしないかもしれないし)

定員を減らしたツアーを作れば、ある程度は解決すると思いますが、代金が高騰してしまいます。舵取りが難しいところですね。

海外ツアー登山の今後

運営している会社が存続できるのか?ってくらい厳しいでしょう。先の見通しが立ちません。自粛が解除されて、雇用調整助成金が終了したのに、海外へ行けないってなるとどうなるのでしょうか? 今より大きなダメージを受けると思います。団体募集中心ではなく、少人数のFITに対応した旅行社が生き残ると思うのですが。

時代は変わるので、雇用調整助成金を長引かせて、自然淘汰されはずだった会社を無理に生き延びさせることも問題かと思います。

山のガイドの今後

個人対象のガイド

自粛が解除されれば、それほど厳しくないと予想します。今後は少人数が求められるケースが増えると思いますが、個人ガイドは元々が少人数ですからね。人数が少ないということは、いろいろな対策も取りやすいです。

そして、ツアー登山の料金が上がってくれば、個人ガイドの方が割安になるケースも出てくるでしょう。競争力がアップします。

ツアー登山のガイド

ツアー登山が厳しいということは、そのガイドも厳しいでしょう。特にツアーに依存していれば個人を募集するチャンネルやスキルもないかもしれません。早々に方向転換しておくべきかと思います。下手すれば、旅行会社が登山ツアーから手を引くかもしれませんし。

海外へ行くガイド

これは、私のことです・・・悪夢です。いつ自由に渡航できる世の中になるのか見通せません。ど〜しよう??

まとめ

どう考えても、自粛後はこれまでのようにはいかないでしょね。混雑した山小屋に泊まる文化事態の存続が危ぶまれます。

山小屋・登山者に依存していた宿泊施設・登山者の利用していたタクシーやバス会社・登山を扱う旅行会社・そして私のようなガイド、全てが変わらなければいけない時期でしょう。それは業態の変化かもしれないし、廃業かもしれません。

私はどうするのか??
いろいろ考えていますよ! それはまた記事にしたいと思います。

今回の記事は、同じような唐松の写真を何枚も掲載しています。記事が進むにつれて、全体がはっきりしてきたのに気づきましたか(笑) 周囲が見えないイメージから、ぼんやり見えてくるイメージ。最初の写真はF値が2.8、最後の写真はF値が22でした!

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