前穂高岳から奥穂高岳縦走コースの歩き方

上高地の梓川にかかる河童橋から美しく見える穂高連峰。
特に美しい前穂高岳から奥穂高岳への稜線である、吊尾根を歩いてみたいと思った方は多いのではないでしょうか?しかし、奥穂高岳を登るのに比べ。前穂高岳へ縦走するのは難易度が大きく上がります。

とはいえ、必要な日数は奥穂高岳のみに登る場合と同じなので、ある程度の経験者なら縦走するのもいいかもしれません。

前穂高岳から奥穂高岳縦走コース

上高地から聳える前穂高岳から北アルプス最高峰の奥穂高岳へと歩く、ちょっとスリリングで展望抜群の縦走コースです。初心者向きのコースではありませんのでご注意下さい!

前穂高岳とは

標高3090mで穂高連峰の主稜線から外れていて、奥穂高岳から東へ伸びる吊尾根でつながっています。上高地の河童橋からだと、梓川のバックに美しい姿で聳えています。槍ヶ岳方面からだと北尾根のギザギザがインパクトのある山です。

山頂のみをピストンする場合は、上高地から岳沢、重太郎新道を登り往復します。

奥穂高岳とは

標高3190mで穂高連峰の主峰。北アルプス最高峰で、日本第3位の標高を誇ります。ピストンする場合は、一般的には上高地から涸沢、そしてザイテングラードから穂高岳山荘を経て山頂となります。縦走をする場合は、西穂高岳方面、北穂高岳方面ともに難易度が高く、前穂高岳への縦走が最も難易度が低くなっています。

前穂高岳から奥穂高岳へ吊尾根縦走5つの魅力

迫力ある展望の稜線歩きを楽しめる!

どちらかの山をピストンするのに比べると、稜線を歩く分多くの景色を楽しめます。
北アルプス3000mの稜線歩きです!

奥穂高岳のみ登る場合と同じ日数で歩ける

一般的には奥穂高岳へ登る場合は山中2泊とされています。前穂高岳から縦走しても同じく山中2泊での登山が可能です。効率よく登山を楽しむことができます!

展望抜群の前穂高岳へ登れる

スリリングな岩場を楽しめて、展望抜群の前穂高岳へ登頂することができます。お得な感じがします!

前穂高岳から奥穂高岳へ吊尾根縦走3つの注意点

ハシゴや岩場が増え、技術的難易度が高くなる

岳沢から涸沢までの区間は岩場やハシゴなど連続する、気を抜けないコースになっています。毎年事故が発生しており、悪天候時はもちろん、雨天でも撤退の判断を含めた対応が必要になります。

縦走するので体力が必要になる

縦走するとなると、体力不足などで簡単には引き返せません。
ピストンなら奥穂高岳は穂高岳山荘に、前穂高岳へなら岳沢小屋へ余分な荷物を置いてアタックできますが、縦走は全てを運ぶ必要があります。岩場では大きく体力を消耗するので、きちんとトレーニングを積んでおくことが必要となります。

吊尾根周辺には山小屋がなく、簡単にエスケープできない

岳沢小屋から穂高岳山荘までコースタイムで6時間半は山小屋がありません。これは大キレットの南岳小屋から北穂高小屋よりも間隔が長くなります。その間は補給&トイレはないということになります。またエスケープルートもなく、行くか戻るかの選択しかありません。体調や天候を確認して歩くようにしましょう。

前穂高岳から奥穂高岳へ縦走するには

おすすめの日程

以下の日程だと、3日間で余裕を持った縦走が可能です。③は距離がありますが、横尾からは林道歩きになるの問題はないでしょう。

各地=上高地(1500m)岳沢小屋(2170m) 
紀美子平前穂高岳(3090m)紀美子平吊尾根奥穂高岳(3190m)穂高岳山荘(2996m)
 ザイテングラード涸沢(2350m)横尾徳沢上高地=各地

あまりすすめない、逆向きの場合
3日間歩くには最終日がきついです。特に岳沢への下りがハシゴが多くきついので、気をつけないといけません。きっと下山したらヘロヘロ!上高地への下山時間が遅くなるので、上高地周辺での宿泊となるかもしれません。

各地=上高地(1500m)…横尾山荘(1620m)
…本谷橋…涸沢ザイテングラード穂高岳山荘(2996m)
 奥穂高岳(3190m)吊尾根紀美子平前穂高岳(3090m)紀美子平岳沢小屋上高地=各地

おすすめのコース案内

上高地から岳沢小屋

上高地到着がお昼過ぎていても問題なく歩けます。河童橋から穂高連峰を眺めて、橋を渡ります。

梓川沿いを暫く歩くと、岳沢への登りの分岐に。

ここからは、ひたすら標高を稼ぎ、岳沢へと登っていきます。見どころは一箇所、天然のクーラーのみ。
夏だとここは涼しくて嬉しい!

岳沢小屋
元々は岳沢ヒュッテでしたが、いろいろあり今は岳沢小屋として営業しています。まだ新しくてきれいな小屋です。
定員60人 1泊2食9,800円 予約電話090-2546-2100

岳沢小屋 | 槍ヶ岳山荘グループ


岳沢小屋から前穂高岳

岳沢小屋からは、きつくて長い上りが始まります。時々ハシゴや岩場も出てきます。紀美子平を目指して、頑張りましょう!

紀美子平から前穂高岳はピストンになります。山頂に不要な荷物はここに置いて、山頂を目指します。

前穂高岳山頂からは涸沢や槍ヶ岳、奥穂高岳など素晴らしい展望が楽しめます。
槍や奥穂高岳と違い、山頂が広いのもいいですね(^^)

前穂高岳から奥穂高岳

下りに気をつけながら、紀美子平で下り、荷物をピックアプ。

吊尾根を奥穂高岳へ向けて歩きます。もちろん岩場やハシゴなどもありますが、これまでと比べると歩きやすい道になります。

アップダウンは多くないので、比較的ラクに奥穂高岳へ。

奥穂高岳からは北アルプス最高峰の山にふさわしい、素晴らしい眺めが楽しめます。

次はジャンダルムに行きたいな~なんて考える方もいるかも知れませんね。
ここからは登山者が一気に増えます。ほとんどの登山者が穂高岳山荘からの往復だからです。
ジャンダルムからきた登山者は誇らしそうにしています(^^)

奥穂高岳から穂高岳山荘

奥穂高岳から穂高岳山荘へは最後のハシゴ以外は特に難しいところはありません。小屋の直前が一番難しいので、気を抜かないように最後までしっかりと歩きましょう。

岩場を抜けると一安心!小屋は目の前です。

穂高岳山荘
展望も設備も抜群の山小屋。人気があります!
定員250人 1泊2食9,800円 予約電話090-7869-0045

穂高岳山荘 公式サイト | 北アルプス穂高連峰奥穂高岳・天空の山小屋
北アルプス穂高連峰、白出(しらだし)のコルに位置する穂高岳山荘の公式サイト。奥穂高岳(3,190m)まで登山道約50分。美しい石畳のテラスに迎えられ、雄大な穂高の峰々に出会う山小屋。約300名宿泊可。

穂高岳山荘から上高地

穂高岳山荘と涸沢を繋ぐザイテングラードは事故が多いポイントです。前穂高岳への道に比べて特に難しいわけではありませんが、疲れが残る可能性があるので要注意。事故の大半は下り!

涸沢ヒュッテで休憩して横尾を目指します。

涸沢からの穂高連峰

涸沢から横尾までは全く問題のない登山道です。

横尾から上高地は林道なので、道はどんどん易しくなります。徳沢あたりで昼食をとり、上高地へ向かいましょう。

このコースの登山記

前穂高岳から奥穂高岳へ縦走してきた
上高地から岳沢、前穂高岳、奥穂高岳、涸沢、上高地。穂高連峰をぐるっとまわる2泊3日のテント泊縦走。鉄板を持っていき、飛騨の名物を購入して、食事にこだわって計画してみました。

穂高岳に必要な登山装備

特別な装備は必要ないですが、それなりの荷物になります。
最近の傾向としてトレランシューズで登山をする人が増えていますが、底が柔らかいので荷物を背負う場合は不向き。岩場では疲れます。ヘルメットは必ず持参して下さい。傷害保険の加入も忘れずに!

登山靴 3シーズン以上のモデル。底が固くしっかりしたもの。トレランシューズ不可
レインウェア 防水透湿性の登山用を。ビニール、ポンチョは不可。
ザック 全てが入って、余裕のあるもの。
サブザック 紀美子平から前穂高岳登頂時にあれば重宝します。
ヘルメット 槍ヶ岳山荘でもレンタルできますが、個人で持参することをお勧めします。
下着 綿製品は乾きが遅いので不可。
中間着 綿製品は乾きが遅いので不可。
防寒着 フリースや化繊の防寒着。ダウンは濡れると保温力が激減します。
ソフトシェル 防風性が高く、透湿性が高いのであると重宝します。
靴下 綿製品は乾きが遅いので不可。予備も持参すること。
パンツ 長ズボンか短パン&タイツ 綿製品は乾きが遅いので不可。
グローブ 軍手不可。薄手とレインの2種類が理想的。
帽子 紫外線が強いので、あったほうがよい。
水筒 1〜2L程度。ナルゲンやサーモスがおすすめ
ヘッドランプ 登山には必ず必要。
ストック 上手に使えれば、膝への負担が減る。
レスキューシート 万一のためにザックに入れておきたい。
ファーストエイド 薬は自分自身で準備。
備品 地図・コンパス・防水袋・時計・健康保険証・現金・トイレットペーパー
日焼け止め・携帯電話
カメラ 防水タイプのものがおすすめ。
食料 糖分のだけではなく、塩分も補給できるもの。非常食も持参。

しっかり準備し、装備を揃え、経験を積んでチャレンジしてみて下さい。
初心者が無理して難しい山にチャレンジすることは、決して誇れることではありませんよ。

決して初心者向きのコースではありませんので、きちんとアルプスや岩場の経験を積んで歩いて下さい!