大峯奥駈道の歩き方

大峯奥駈道

日本最古のロングトレイルとして知られる、大峯奥駈道。
宗教的なことを含めて、憧れる方が多いですが情報はあまり多くありません。

個人的にはあまり調べすぎると面白くないのでは。。。と思うこともあります。しかし、山深くエスケープの難しい場所にあり、登山者も多くないので、万一の時は深刻な事態になることも考えられます。

少しでも安全に歩けるように、情報を提供したいと思います。

※このサイトを見て大峯奥駈道を縦走したというお礼が何件も届いています。役に立てて嬉しいです(^^)

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大峯奥駈道とは

世界文化遺産の紀伊山地の霊場と参詣道に含まれる大峯奥駈道は、奈良の吉野山と熊野三山を結ぶ、もとは修験道の修行場として開かれた道です。中辺路・小辺路・大辺路・伊勢路とある熊野古道の中で、最も険しいルートです。

標高1200m~1900mの急峻な山岳が連なる大峰山脈の尾根を沿うようにして続く、とても過酷な精神修行の場です。一般的に大峰山(大峯山)といえば山上ヶ岳を指しますが、大峯奥駈道でいう 「大峯」とは、吉野から山上ヶ岳を経てさらに奥の山々、そして最終的には熊野三山に至る大峰山脈を縦走する修行の道全体を指します。

登山で大峰山といえば、最高峰の八経ヶ岳を指します。大峯奥駈道は、修験道の開祖、役の行者によってひらかれた1300年の伝統をもつ山岳信仰の聖なる道。大峯七十五靡(なびき)と呼ばれる神仏が宿るとされた拝所・行場が遺跡として残ります。女人結界のある山上ヶ岳を通過するので、縦走できるのは男性のみとなります。元々が修験の道であり、登山道として整備されているものの、他の山域とは雰囲気が異なります。

大峯奥駈道の歩行距離と標高差

カシミール3Dで計算してみると、総距離が約90km登りの合計が7747m下りの合計が7919mとなりました。まず間違いなく、実際の距離は100kmを軽く越えていると思います。登りの合計が7747mってヒマラヤだって登れちゃうくらいの標高差です!標高は北奥駈道の方が高いですが、実際のアップダウンは南奥駈道の方がきつい印象です。

最近増えている山のグレーディング(登山定数)であれば58h×1.8+90km×0.3+7.7km×10+7.9km×0.6=213.14となり、単純にグレーディングに当てはめると体力度22となります。そりゃあシンドイわけだ(笑) だって、公開されているグレーディング最高体力度は10ですからね!

大峯奥駈道の歩き方

一度で歩ける方は、頑張って歩いてみて下さい!分割で歩くよりも満足度は格段に高くなると思います。
体力やスケジュール的に無理な方は、分割して歩く方法があります。参考にしてみて下さい。

大峯奥駈道を一度で縦走する場合

非常に長い山道なので、時間があるか、体力がある方でないと一度に歩ききるのは難しいいかもしれません。
一般的には6日間と案内されています。

 

日数 行程 コースタイム
吉野駅(205m)…青根ヶ峰…四寸岩山…大天井岳…山上ヶ岳(1719m)・宿坊  8:20
…大普賢岳(1780m)…行者還岳(1546m)…弥山(1895m)…弥山小屋(1875m) 9:00
…八経ヶ岳(1915m)…釈迦ヶ岳(1899m)…仏生ヶ岳…深仙ノ宿(1500m) 7:10
…太古ノ辻…涅槃岳(1365m)…倶利伽羅岳…行仙岳(1227m)…行仙宿(1085m) 8:50
…笠捨山(1352m)…葛川越…地蔵岳(1250m)…花折塚…玉置山(1076m)・宿坊 10:25
…大森山(1045m)…五大尊岳…七越ノ峰(262m)…熊野本宮大社・大斎原(51m) 9:05

私の歩いた大峯奥駈道の日程

それなりの荷物を背負い、コースタイムを切るスピードで12時間以上の行動ができる方に限ると思います。しっかりとトレーニグと準備をして望みましょう!

自宅(奈良県内)-近鉄-吉野駅…青根ヶ峰…四寸岩山…大天井岳…山上ヶ岳…小笹ノ宿
…大普賢岳…行者還岳…弥山…八経ヶ岳…釈迦ヶ岳…深仙ノ宿
…涅槃岳…行仙岳…笠捨山…地蔵岳…玉置山展望台
…玉置山…大森山…五大尊岳…熊野川…熊野本宮大社=バス=紀伊田辺-JR&近鉄-自宅

その時の登山記です。参考にしてください!

大峯奥駈道を​2分割して歩く場合

2分割して歩く場合は、吉野から太古ノ辻までの北大峯奥駈太古ノ辻から熊野本宮大社までの南大峯奥駈に分けるのがいいでしょう。

1回目

吉野駅…青根ヶ峰…四寸岩山…大天井岳…山上ヶ岳・宿坊 
…大普賢岳…行者還岳…弥山…弥山小屋
…八経ヶ岳…釈迦ヶ岳…仏生ヶ岳…深仙ノ宿
…太古の辻…前鬼

2回目

前鬼…太古ノ辻…深仙ノ宿
…太古の辻…涅槃岳…倶利伽羅岳…行仙岳…行仙宿
…笠捨山…葛川越…地蔵岳…花折塚…玉置山・宿坊
…大森山…五大尊岳…七越ノ峰…熊野本宮大社​

荷物が背負えない登山者の場合

時間がかかりますが、分割してこういう歩き方もあります。

1回目 吉野…青根ヶ峰…四寸岩山…大天井岳…五番関 日帰り
2回目  五番関…山上ヶ岳…大普賢岳…阿弥陀森…和佐又 日帰り
3回目  和佐又…大普賢岳…七曜岳…行者還岳…行者還トンネル西口 日帰り
4回目  ①行者還トンネル西口…弁天の森…弥山
②…八経ヶ岳…仏生ヶ岳…釈迦ヶ岳…太古ノ辻…前鬼 
1泊2日
5回目  ①前鬼…垢離取場…前鬼
②前鬼…太古ノ辻…石楠花岳…持経の宿 
1泊2日
6回目 持経の宿…転法輪岳…行仙岳…白谷トンネル
7回目  ①白谷トンネル…行仙宿
           ②行仙宿…笠捨山…地蔵岳…玉置山…玉置山神社
1泊2日
8回目  ①十津川村 前泊
②玉置山神社…大森山…五大尊岳…七越峰…熊野川…熊野本宮大社 
1泊2日

大峯奥駈道を歩くおすすめの時期

大峰山の無積雪登山シーズンは4月から11月です。全山縦走する場合は、最も勧めるのが①4月下旬から5月中旬、次は②10月から11月上旬です。夏は非常に暑いです。デイパックで日帰りするならいいでしょうが、大型のザックに装備をや食料を入れて歩くには暑すぎるでしょう。体力の消耗も激しいと思います。水も多く必要になります。最も勧める①の時期は暑さもさほどではなく、残雪もありません。水場も枯れることが少ない。そして、②と比べると日中の行動時間が長い。しかし、①のGWは登山者も多いので、キャパの少ない山小屋は混雑しやすく、早め早めの行動が必要になるでしょう。全てテント泊にすれば問題ありません。

大峯奥駈道の装備と食料

長い距離を歩く場合に重要なのは、荷物の軽量化。疲れ方が全然違います。必要ない物を削るのも技術。
私が5月に3泊4日で縦走した時を例にします。

登山装備

ツェルト・シュラフ・シュラフカバー・シュラフマット・レインウェア・ドライクライムジャケット・長袖シャツ2・Tシャツ1・下着・靴下2・バーナーセット・マグカップ・水筒4リットル分・Wストック・ヘッドランプ・エアリアマップ・ファーストエイド・ロールペーパーなど。テントはツェルトに、サンダルも持参せず。

​食料

食料は必要なカロリー計算をざっとして、必要でないものを持っていかないように気をつけます。(非常食は必要)

大峯奥駈道で気をつけたいポイント

女性は縦走できません

女性は山上ヶ岳への入山が認められていないので、五番関から下山し、和佐又などから登り直す事が必要です。立入禁止エリアには女人結界があります。この時代、賛否両論あります。しかし、文字を壊したり、落書きをする反対は逆効果だと思うのですがね。。。

山小屋のキャパシティ

行者還や行仙宿など大きな小屋もありますが、小笹や深仙などは定員が3~4名で非常に小さいです。連休等は混雑必至なので、早めに到着、又はテント持参。

水の確保

意外と苦労するのが水の確保。ほぼ稜線を歩くので、水の確保に苦労します。北奥駈はまだいいですが、南奥駈は山を下って水汲みに行く必要があります。調理分を考慮すると、3~4リットルの水筒は必要です。汲める水場で最大限汲んでおきましょう。極端に水量が少ない場合や枯れている可能性もあります。

テントかツェルトか

北奥駈は小屋泊でいいと思いますが、問題は南部。笠捨山を越えると、小屋はありません。快適性ならテント、ビバークするならツェルトでしょう。私はツェルトにしました。正式なテン場はありませんが、玉置山神社の駐車場でテントを張る人が多いようです。

熊野川を渡るなら

クライマックスは熊野川を渡り、大斎原へ到達するポイント。登山靴を脱いで、ザックを背負い、素足で歩くには足が痛すぎます。サンダルを用意しておいたほうがよかったと後悔しました。河原での水垢離は最高です。

大峯奥駈道の情報

小屋と水場の情報

小屋 管理人 代金 定員 水場 備考
二蔵小屋 無人 無料 10名 水場15分 11月~3月は閉鎖
大峯山宿坊 有人 有料 150名 宿泊者のみ 要予約
小笹の宿 無人 無料 3名 あり テント持参が無難
行者還避難小屋 無人 無料 15名 水場5分
弥山小屋 有人 有料 200名 1リットル100円 要予約
楊枝ヶ宿小屋 無人 無料 10名 水場15分
鳥の水場 登山道沿い 水量わずか 夏季は枯れやすい
深仙の宿 無人 無料 4名 4分 テント持参が無難
持経の宿 無人 1000円 20名 15分 水は汲み置きがあるかも
平治の宿 無人 1000円 15名 20分 水は汲み置きがあるかも
行仙の宿 無人 1000円 30名 30分 水は汲み置きがあるかも
​葛川辻の水場 登山道から30分
古屋の辻の水場 登山道から30分
玉置神社 有人 有料 ?? あり 宗教施設で山小屋ではない

その先は小屋も水場も本宮大社まで何もありません。。。

 

大峯奥駈道の地図

以下の情報は私のものではありません。奥駈の南側を整備している新宮山彦くるーぷさんのFBに投稿されている、大峯奥駈のガイドです。

​上の山小屋と水場の情報と同じ仕様です。地図と言っても、情報が順に羅列されているだけなので、地形などは全く読むことができませんので、事前にこの情報を地形図などに落とし込むことが必要となります。

山と高原地図は必携!!

大峯奥駈道を実際に歩いてみた

私が大峯奥駈道を実際に歩いた時の記録です。ゴールデンウィークを外したこと、単独であったこと、ほぼ好天に恵まれたことなど、通常より歩きやすい状態ではありました。日記調になっていますが、きっと参考になることと思います。読んでみて下さい!

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