山で地図を読むことはとても大事です。
今や方向を知るだけなら、スマホには電子コンパスが入っているし、アウトドア用の時計にもコンパスは内蔵されています。中には専用のGPSを持っている方もいると思います。でも登山では専用のコンパスを持参して欲しい。そして、買うだけでなく、使い方もマスターして欲しいんです。
登山用のコンパスの選び方
スマホやGPSがあるからと地図とコンパスを持たないで山に登っていませんか?
地図があるからコンパスは不要だと思っていませんか?
初めてコンパスを購入する人は「何を買っていいかわからない」人が大半だと思います、知らずに安い商品を購入して後悔したり、高性能すぎるコンパスを購入して使いこなせなかったり。私は読図講習会で200人以上に教えてきたので、そのへんの事がよくわかります。
コンパスを初めて買おうとしたら、値段に驚くかもしれません。と言っても2,000〜3000円程度ですが、百均にも売っていますからね。でも、もしかしたら命を守るかもしれない道具です。信頼性の高い専門メーカーの製品を購入しましょう。
コンパスはベースプレートの付いたものを
トレランやナビゲーション競技では、親指に取り付けるプレートのないコンパスが主流です。もちろん東西南北を知るだけでいいなら、それでも可能です。しかし、登山にはプレート付きを選びましょう。
プレート付きは地図と合わせて使用することを前提としたコンパスです。コンパスと透明なプレートで出来ているので、地図の上に置いて、地図を読むことができます。コンパスは磁北からのズレを測り、方向を確定させる物なので、ベースとなるプレートが必要です。距離を測ったりすることも可能です。プレートは短いものより、長いもののほうが使い勝手がいいのでおすすめです。
オイル式のコンパスを選ぼう
北を指す針を含むケース内にオイルを充填しているコンパスです。オイルの抵抗でコンパスの磁針のブレが少なく、安定します。通常の使用状況では気にしなくてもいいですが、冬山の極低温状態ではオイルの粘度が高くなり、正確な計測ができなくなるようです。一応使用可能温度が設定されています。
おすすめの登山用コンパス
シルバかスントの2社の製品をおすすめしています。これを選べば間違いないし!小さなマーケットなので、選択肢も多くありません。新製品も滅多に出ないしね。
SILVA(シルバ)のNo3
とにかく、どこのコンパスがいいかと聞かれたら、迷わず答えるのがシルバ社のコンパスです。他社のものと比べると、少し高いですが圧倒的な使いやすさと高品質で強くすすめます。私もこのシルバコンパスを使用しています。マイナス40℃対応なので、冬山に行くならコレ!
SUUNTO(スント)のAシリーズ
ちょっとシルバが高いかなという方にすすめるのが、スント社のAシリーズ。使い勝手はやはりシルバの方がいいですが、コストパフォーマンスが高いです。真剣に読図をしたい方は、ベースプレートの真ん中にラインがないので、ちょっと使いにくいと思います。
コンパスは買っても使えなければ意味がない
登山ウェアなどは、買って着てしまえば効果が発揮できますが、コンパスはそういう訳にはいきませ。地図の準備も含めて技術が必要になります。それが使えて、はじめて一人前の登山者となることができます。
これから、スキルアップしたいという登山者は必ず地図とコンパスを持参して下さい。そして地図の読み方とコンパスの使い方を覚えて下さい。別の記事に地図とコンパスについて書いています。是非、ご一読下さい。また年に数回読図講習会も行っています。開催が決まれば、このサイトのトップページのお知らせで告知します。機会があればご参加下さい。