登山&アウトドアガイドの沖本です!!
2024年の晩夏、20歳の頃に野田知佑を読んでから、行きたいと思っていたカナダのユーコン川に行ってきました。
カヌーやカヤックの案内をしているなら、知っておきたい川です。
メンバーはアウトドアスキルの高い、自由人な4名です!
今後の案内の調査&経験とはいえ、幸せな時間でした。
ユーコン川ってどんな川?
ユーコン川はどこにある?
ユーコン川は北アメリカ北西部を流れる大河で、全長約3,190キロメートルに及びます。カナダのブリティッシュ・コロンビア州を源流に、ユーコン準州を経由してアラスカ州に入り、最終的にベーリング海に注ぎます。ユーコン準州の主要都市ホワイトホースや、歴史的に重要なドーソン・シティなどを流域に含みます。ちなみに下ったのはSからGへ。200キロ以上下っても、全体から見るとたったのこれだけ。
ユーコン川はどんな川?
ユーコン川は、1890年代のゴールドラッシュで探鉱者たちの主要な交通路となりました。金鉱を目指す数万人がこの川を利用して物資や装備を運び、ホワイトホースやドーソン・シティといった町が発展しました。当時は蒸気船が川を遡り、金鉱地へ向かう人々を支え、経済活動の中心的な役割を果たしました。蒸気船が往来できたほどの静かな流れや、豊かな自然が世界中のカヌーイストを魅了しています。
ユーコン川に憧れたわけ
学生時代、カヤックを始めるきっかけになったのは、野田知佑の著書でした。そこに度々紹介されるユーコン川。興味が湧かないはずありません。当時は度胸もお金がなかったので、憧れるだけでしたが…。
独立してからのお客さんが、何組もユーコン川を下っていました。これは行かないといけないと思います(笑) さらに「水曜どうでしょう」が大好きなお客さんからも、ユーコンに行きたいとリクエストがあり、本気で考えるようになりました。(今回は参加できていませんが)
50歳を前にして、やっと時間とお金、そして一緒に行けるメンバーが揃いました。幸せなことです。
ユーコン川カヌー下り211kmの日程
ホワイトホースから出発したいところですが、日程の関係で、ラバージュ湖を船でスキップしてユーコン川を下っています。
普通のユーコンツアーは160kmほど下ったリトルサーモンという地点がゴールなので、プラス1日50kmほど長いです。
ここでは4日目までを記事にしています。
① | 関西空港より、バンクーバー経由でホワイトホースへ。 |
② | ホワイトホースで食料の買い足しや装備の確認。レンタルショップでの打ち合わせ。 |
③ | 車でレイク・ラバージュへ。ボートにカヌーを積んで、ユーコン川の流れ出し付近へ。0km地点 |
④ | ユーコン川下り1日目 フータリンクアへ 48km地点 |
⑤ | ユーコン川下り2日目 ビッグサーモン 101km地点 |
⑥ | ユーコン川下り3日目 ツインクリーク 139km地点 |
⑦ | ユーコン川下り4日目 マンダナクリーク 169km地点 |
⑧ | ユーコン川下り5日目 カーマックス 211km地点 |
⑨ | カーマックスより送迎車でホワイトホースへ |
⑩ | 予備日 |
⑪ | ホワイトホース空港よりバンクーバー経由で帰国 ※沖本は居残り |
⑫ | 関西空港へ到着 |
ユーコン川カヌー210km / 沖本浩一さんの活動データ | YAMAP / ヤマップ
ユーコン川カヌー下り211km
ユーコン川下りまで
エア・カナダで関西空港からカナダ北部、ユーコン準州のホワイトホースへ。
エア・カナダなので、可もなく不可もなく。
日付変更線を越えるので、その日にホワイトホースへ着くとはいえ、かなりの長旅でした。空港へ着いたら、ホテルへ直行。
2日目はまず、お世話になるカヌーショップで打ち合わせ。
リバーマップを買ったり、レンタル備品(食料保管ボックス、イス、鍋類)の確認をしたり。この時期はユーコン川のピークを過ぎているので、あまり忙しくなさそうでした。
以前はモンベルのユーコン川ツアーの案内をしていた、佐久間さんと久しぶりにお会いしました。
ガイドブックにはない、いろいろな情報(釣り中心に)を教えてもらいました。感謝!
スーパーで買い出し。出発したらゴールまで補給はできません。魚が釣れないことを前提に準備しておかないと。
他にもホームセンターで着火剤や釣り竿ルアー、酒屋(カナダのスーパーは酒は売ってません)でビール、ワイン、ウイスキーを購入。
夕食はカナダらしくお肉をガッツリいただいて
翌日からのキャンプ生活を前に、栄養補給
なんとホテルに佐久間さんが来てくれて、更に詳しい情報を教えてくれました。
レイク・ラバージュキャンプ
ホワイトホースからカヌーのスタート地点、レイク・ラバージュまで移動するのですが、これがなかなか大掛かり!!
大型のピックアップでボートを牽引して、そのボートにカヌーを載せます。日本では絶対にないスタイルですよね。その分、お金はかかりますが…。
ボートを牽引して、レイク・ラバージュへ。そして、ボートを湖へ浮かべます。
ダイナミックでこれぞ北米って感じですね〜!!
レイク・ラバージュはユーコン川の流れの途中にできた湖です。
湖にボートを浮かべたら、今度はボートで移動です。
この日は天気が悪くて、とても寒く、
こんな寒さでこの先大丈夫かなって、ちょっとビビっていました(笑)
レイク・ラバージュの北端に到着。キャンプ場にカヌーや装備を船から降ろします。
これからがユーコン川カヌーのスタートなのですが。。。雨が降っていて、寒くて、全くテンションが上りません。
憧れのユーコン川を目の前にして、どうした??
荷物を載せる前に、湖をちょっと漕いでみましたが、やはり雨の中は嫌だなぁ〜。。。みなさんも同意見!
ということで、1日目から停滞決定です(笑) この自由さがいいんですよね!!
キャンプ地は日本にはない雰囲気の森の中。ふかふかの森の道はとても気持ちがいい。
廃墟はゴールドラッシュ時代のものです。
とりあえずテントを張って
焚火して。
豪快にハムを焼いて
ユーコンでユーコンゴールドを飲む。これだけで十分幸せです!
雨が上がったので、釣りをしてみますが、アタリはなし。
夜は炒麺を簡単に作って
食べて、飲んで1日目は終わってしまいました。でも、それでいいんです。
ユーコン川下り1日目 48km地点 フータリンクアへ
昨日とは一転、いい天気になりました。
朝はベーグルやパンを焼いて
カヌーに荷物を積み込みます。いざ積み込むと、かなり余裕。
こんなことならお酒をもっと買っておくんだった。。。。この旅の最大の後悔は酒不足。これに尽きます。
いよいよ出発です!!
慣れるまでは、しばらく慎重に。8月に天塩川をカナディアンで下りに行ってるから、感覚はまだ残っています!
カヤックとカナディアンは似ているようで、ぜんぜん違う乗り物ですからね。
すぐにユーコン川の流れが始まります。
ユーコンは水量があり、写真から想像できる以上に流れが速く力強い。
岸から見るとちょっと怖く感じるけど、流れに乗ってしまえば、とても気持ちがいい!!
そして、カヌーをくっつくると、安定し、さらに操舵に使うエネルギーが半減してとても楽だと気づく。
人工物のない世界、携帯の圏外が200kmも続くウィルダネス。これからどんな世界が待っているのか、ドキドキする。
もう来てよかったと思う。
この夏の森林火災の跡。一見ネガティブですが、森の世代交代を進めてくれる大事な自然現象でもある。
ただ規模が大きすぎるといろんな問題も出ますが…。
上陸してみると、もうヤナギランが花を咲かせていました。自然は力強い。
ヤナギランは英語でファイヤーウィード。ユーコン準州の花でもあります。
川の上で飲むビールは最高です! 我々には水のようなもんですが、もちろん自己責任。
ビーバーの巣を見つけました〜
そして、虹に向かって漕いで、フータリンクアへ!
レイク・ラバージュから48km地点
ここをキャンプ地とする!
フータリンクアキャンプ
ユーコンの魅力は手つかずの川を下れることですが、もう一つの魅力が自由なキャンプ!
アウトドアスキルの高いメンバーが集まれば、これは最高に楽しい。
まずはブルーシートでタープを作ります。普通のタープは焚き火で穴が空くのでNG
そして、キャンプのベースが完成
男だけなので、開放的な水浴びをして
釣りをして 幸せ。。。
そして、今夜の食料確保!!! 嬉しそうすぎる。食料確保は嬉しいが、笑顔にも嬉しくなる(笑)
魚はノーザンパイク! イエローナイフで釣ったことがありますが、あっさりした白身のお魚でした。
捌いて、大量の塩を擦り込んでから豪快に焼きます!
今夜はどのビールにしようかな〜 ユーコンの地ビールは種類がいっぱいあって悩む
ノーザンパイクは皮がとても厚くて硬いので、焦げるくらいしっかり焼いてから、皮を捨てて身を食べます。
美味しかった!! 4人だと1匹が適量ですね。
パイク汁も作ってみました。もちろん美味しい!!!
ユーコンではヒグマ対策で持っていく食材が制限されます。魚が釣れるかどうかは、とっても重要!
ここに来るまで、大泉洋の「水曜どうでしょう」ユーコン160㌔地獄の6日間をNETFLIXで予習しました。まぁユーコンの良さは伝わらなかったけど、相変わらず面白い。料理は確実にこっちの方が上ですね(笑)
自由に川を下り、気に入ったところでキャンプして、焚火で釣った魚を豪快に調理、ゆっくりお酒を楽しむ。
アウトドア好きには天国といってもいい場所でしょう。素晴らしい1日でした。
朝は寒くて焚き火必須
パンとハムとコーヒーで済ませて、ビッグサーモンへ向かいます。
ユーコン川211キロ アウトドア天国の7日間 中編へ続きます。