ほとんどの登山者は日帰りで登山を始めた時は、テントを持って山に行くなんて考えてなかったと思うのですが、経験を積むと欲しくなるのが登山用のテントです。
山小屋に泊まるのもいいですが、自分だけのスペースを確保できるテントはとても魅力的。
さらに山小屋のない場所や、営業していない時期にも宿泊でき、自然の中に身をおくことができます(^^)
私の場合、最近はテント泊のほとんどが雪山になります!
テントで数百回宿泊してきたプロガイドが説明します。
登山用のテントとオートキャンプ用テントの違い
登山用のテントとオートキャンプ用のテントは、いったい何が違うのでしょう?
オートキャンプは車で行く事ができるので、テントに求められるのは「快適性」や「豪華さ」です。登山では装備を自分や仲間で分担して背負わなければなりません。そのため、登山用のテントは「軽量&コンパクト」や厳しい環境でも耐えられる「耐風性能」がとても重要です。
オートキャンプ用のテント
河原で張ったこのテントは20kgを軽く超えます。。。快適で大勢が宿泊できますが、重たいし、風にも弱いです。わかると思いますが、こんなのは山に持っていけませんよね。設営にも長い時間がかかります。
登山用のテント
登山用のテントで最も重要なのは軽量&耐風性能(強度)です。そして、すぐに設営できる簡単な造りが必要となります。登山用のテントと似た形の安価なテントがネットやホームセンターで販売されていますが、強度は話にならないくらい違いますので、山には持っていかないようにしましょう。
カヤック用のテント
カヤックにテントを積んでキャンプする場合も、登山用のテントはコンパクトで軽いので重宝します。
1〜2人用 テントの種類と選び方
私のサイトは使ったことない、触ったことないのに、おすすめ◎◎選みたいに適当に選ぶサイトではありません。全部使ったことある上で、おすすめしています。安心してください。
1〜2人用登山用テントを選ぶポイント
登山用のテントなので、軽量&コンパクトなのは当然です。特にソロ登山でテント利用する場合、一般にガスバーナー、食料、寝袋、マットなどが山小屋宿泊の荷物にプラスされます。他のメンバーとも分担できないので、軽量化には気を使う必要があります。また、テントの設営を手伝ってくれる仲間がいないので、容易な設営が可能なことが重要となります。重要なのは以下。
- 軽量&コンパクト(1人用か2人用か)
- シングルウォールかダブルウォールか
- 容易な設営
- 強度
- 耐風・防雨性能
- 開口部の位置(テントの入口)
登山用品店で販売されているテントは、正しい使い方をすれば充分な強度があります。選び方とすれば何を優先させるかです。
悩むのが、1人用か2人用か? 個人的には2人用のテントは1人用から100〜300gしか変わらず、快適なので、1人で使用する場合でも2人用を強く勧めます。
本体のみで使用するシングルウォールとフライシートも使用するダブルウォールテントがありますが、二重構造のダブルウォールテントを強くすすめます。雨風に強く、蒸れも少なく、全室があるので調理もできます。
難しいのが開口部の位置。ソロ用のテントは細長くなります。そのテントの入口がテントの長辺にあるか短辺にあるかということです。山岳テントでは必ずテントの入口を風下にします。テントの長辺に入口があれば、テントの前室(フライシートと本体の間)が広く快適です。しかし、風に向かって抵抗が少ないのは短辺にあるテント。長辺に入口のあるテントを張る場合は、風の抵抗が大きいので、よりしっかりと設営する必要があるのです。個人的には長辺に入口のある方が好きですが。
この記事で実際に並べて設営して比べています。
短辺に入口のあるテント(アライテント・エアライズ2)
長辺に入口のあるテント(ファイントラック・カミナドーム2)
おすすめのソロ用登山テント4選
この他にもいろいろなテントがありますが、軽量で環境対応力のあるテントを選びました。基準は軽量であること・ダブルウォールであるということです。そして国産のテントを選んでいます。テントは長い間使っていると、不具合が出やすいです。メンテナンスが必要となる場合、国産の対応は素早いです。ポールが折れた、フライが破れたなど。修理に3ヶ月とかかる海外メーカなら、夏が終わっちゃいますから。
ファイントラック カミナドーム2
私も使っている、ファイントラック社のカミナドーム2。非常に軽量で、剛性の強いテントポールを採用しています。内部の空間も広く、ストレスのないテントです。開口部は長辺なので、全室も広く快適です!そのかわり、強風時の設営はちょっと大変かも。中級以上者向きのイメージです。212cm×130cm 本体の重さは1280g
アライテント エアライズ2
日本を代表する山岳テントメーカー、アライテント。私も大型のテントはアライテントを使っています。伝統の定番商品です。開口部は短辺にあります。設営は比較的簡単です。210cm×130cm 本体の重さは1550g
モンベル ステラリッジ2
一時期急速にステラリッジの特徴である黄色のフライシートが増えました。最近はフライシート別売りのモデルも出て、色を選べるようになっています。2019年からステラリッジは設営が簡単になりました!初心者向きです。210cm×130cm 本体の重さは1410g
ヘリテイジ エスパース デュオアルティメイト
学生時代は、ほとんどエスパースに宿泊していました。懐かしい(^^) 故障が少なく、厳しい環境でも安心して使えるテントです。長辺に入り口があり、全室が大きいです。210cm×130cm 本体の重さは1550g
3〜4人用 テントの種類と選び方
3〜4人用登山用テントを選ぶポイント
テントが軽量化されてきたので、夏なら複数のメンバーでテント泊をする場合は、それぞれがテントを持っていくケースが増えています。プライバシーも保たれ、快適なので個人的には好きです。それはそれで、テントサイトが混むという弊害をもたらしていますが。。。
雪山になると大型のテントは暖かく(複数でテントに入った場合)、一人あたりの荷物を減らせるので助かります。
選ぶポイントはほぼ1〜2人用のテントと同じです。異なるポイントがあるとするとすれば、出入口の長辺・短辺が関係なくなるくらい。複数の人間で荷物をシェアできるので、軽量化の優先順位を下げて、快適性の順位を上げてもいいかと思います。
ファイントラック カミナドーム
ファイントラック社のカミナドーム4。非常に軽量で、剛性の強いテントポールを採用しています。内部の空間も広く、ストレスのないテントです。軽量でいいテントですが、値段が他と比べて高いのがややネック。でも私が追加でテントを購入する場合はこれを選ぶと思います。210cm×220cm 本体の重さは2010g
アライテント エアライズ
日本を代表する山岳テントメーカー、アライテント。私も大型のテントはアライテントを使っています。伝統の定番商品です。185cm×220cm 本体の重さは2070g
モンベル ステラリッジ
一時期急速にステラリッジの特徴である黄色のフライシートが増えました。フライシート別売りのモデルとなり、色を選べるようになっています。2019年からステラリッジはスリーブ式から吊り下げ式に変更になりました。私も購入済みです。210cm×130cm 本体の重さは1410g
テントの登山は自由を手に入れることができ、とっても楽しいのですが求められる体力や登山技術や知識も増えます。ある程度の経験を積んでから始めましょう!