日本最高峰の富士山。
夏の時期もいいけど、雪山の時期に登りたいと思っている方も多いと思います。
その時期の富士山は、夏の喧騒がウソのように静かで「富士山は見る山だ」なんて言っている人を、全否定できる美しさです。
しかし、夏と違い難易度は跳ね上がります。
比較することがおかしいくらい、雪山の富士山は難しい。
しかし、きちんと準備さえすれば、絶対に登れない山でもありません。
雪山の富士山を安全に登る7つのポイント
雪山の経験を積む
雪山の富士山は初心者が登っていい山ではありません。
必ず、雪山登山の基本技術を身につけて下さい。アイゼンやピッケルの技術は当たり前。
耐風姿勢やセルフレスキューなども身につけておきたい。
何度かはアルプスなどの山頂まで登った経験がほしいです。写真は北アルプス。
夏の富士山に登っておく
富士山にかぎらずですが、雪山に登る前に目標の山に一度は登るべきです。
雪山はリスクが高いです。どういった地形を歩くのか、所要時間はどのくらいかなど雪山を想定して、想像しながら歩きましょう。
装備を整える
雪山の富士山に登るには、完全に雪山に対応した装備が必要です。
そういった装備は決して安くはありませんし、使用頻度も高くないと思われますが、ケチってはいけません。オーバースペックと思うほどの装備を整えることが、安全で楽しい登山につながります。
必要な装備
・アンダーウェア上下 ・ミドルウェア ・ソフトシェル ・ハードシェル ・インシュレーション ・アルパインブーツ ・12本爪アイゼン ・ピッケル ・ザイル ・ハーネス類
・アンダー/ミドル/アウターグローブ ・ビーニー ・バラクラバ ・サングラス
・ゴーグル ・テルモス ・コンパス ・ツェルト など
テント泊で必要な装備
・テント ・マット ・シュラフ ・シュラフカバー ・バーナー ・コッフェル ・コップ など
経験者と登る、単独行は避ける
可能であれば、雪の富士山に登ったことのある経験者と登りましょう。安心感が全く違うはずです。雪山の単独行は、リクスが格段に増します。可能な限り避けるべきです。
高山病に配慮する
夏山と違い、雪の時期は山小屋は閉鎖しています。山中で宿泊する場合は、テントを持参するしかありません。そうでない場合は五合目からの日帰りとなります。時間的には十分可能ですが、一気に高度を上げると高山病のリスクが跳ね上がります。五合目で十分体をならす、調子が良くてもゆっくり登る、テントで宿泊するなどの配慮があるといいでしょう。高山病になると、山頂が楽しくないばかりか、ふらふらしてしまい、とても危険です。
登る時期を考える
同じ雪の富士山でも、1月~3月は気温が非常に低く、風も強い。
かなりの経験を積んだ登山者でないと、厳しいです。これからネットで情報を探して登ろうかというレベルの登山者は、やめるべきです。
12月と4月~5月。12月は未だ雪も少なく、4~5月は気温が上がってきているので、比較的登りやすい。4月下旬になればスカイラインもオープンします。それでも山頂は-15°以下だったりしますが。
天気予報を確実に理解しておく
いくら万全の準備をしていても、天気には敵いません。
気温や風の状態、先の予報などは確実に理解しておいて下さい。
少しでも不安があれば、取りやめる勇気を!天気が良くても風が強いと登れません。そのためには天気図だけでなく、高層天気図も読めるようになりたい。
雪山の富士山を楽しく登る3つのポイント
どうせ登るなら、楽しく登りたいものです。
私のおすすめする登り方は以下の様なものです。
山中にテントで泊まる
楽しく登るなら、無理はせず、行程に余裕を持ちたい。
五合目からの日帰り往復であれば、行程に工夫などはほとんどできません。そこで提案したいのが、富士山の山中でのテント泊。キャンプ地までの荷物は重くなりますが、余裕を持って山頂にアタックできます。テントに泊まり、深夜に出発すれば明け方の美しい時間帯に富士山の山頂付近へ到達できます。
食事にこだわりる
せっかく仲間で行く登山です。美味しいもの食べましょう!
多少食費がかかっても、夏の山小屋に泊まると思いえば安いもんです。
鍋料理もいいし、鉄板焼きもいい(^^) お酒は控えめに。
山でゆっくりする
テントに泊まると美しい山の景色を堪能できることでしょう!ゆとりを持って山頂を楽しむことができます。山頂の景色、氷の美しさは最高です。時間に追われた登山は、ミスの原因。ゆとりを持ったプランを立てるようにしましょう。
美しいけど、簡単には人を寄せ付けない富士山。
安易な挑戦は避け、技術を身につけ、体力をつけ、装備を揃え、経験を積んでチャレンジしてみて下さい。
感動します!!