レスキュー 救助要請の手順

記事に広告が含まれています。

登山にかかわらず、自ら行動することは自己責任です。

近年、日本では自己責任という言葉が存在しているのかな?
と思うほど行政などに責任を押し付ける、訴えるといった傾向が強いと思います。

事故の後で注意喚起がなかった、注意報や警報が出ていなかった、登山禁止になっていなかったなど。。
更には助けに来てくれた人まで訴えたり。。。

少しの道迷いや、歩ける状態なのに簡単に救助を要請するのはどうかと思います。
自力下山が大原則です。可能な限り、自らの力で自力下山を試みて下さい。

しかし、深刻なトラブルに遭遇する場合もあります。
命の危険を感じた場合は、ためらわずに救助要請をしましょう。

スポンサーリンク

救助を要請をする場合

重篤なケガや病気

転倒などのケガで動けない、出血多量、持病の悪化など、下界でも直ちに病院に行くような状態であれば、急いで救助を要請しましょう。

転倒、滑落

登山道などから転倒し滑落し、動けない場合なども、救助要請をする必要があります。

道迷い

登山道を見失ってしまい、現在地が全く不明な場合は救助要請も致し方ないでしょう。しかし、現在地がわからないということは、救助が直ちに来る可能性は低いと考えましょう。

悪天候

天候が悪化し、身動きがとれない。救助の要請は可能ですが、そういった気象条件ではヘリコプターなどの救助は期待できず、地上からの救助も時間がかかります。天候が回復するまでは自らの力で乗り切るしかありません。

救助する側にも、される側にもリスクは存在する

山梨県で命に別状がない状態の遭難者を救助していたヘリコプターが引き起こした落石か樹木の落下で、遭難者が亡くなりました。

その他にも、高ボッチ山で訓練中の長野県警のヘリが事故を起こしたり、穂高や奥秩父などでも救助中に墜落事故を起こしています。

気流の不安定で地形が厳しい山での救助は、リスクを伴います。
安易な救助要請は絶対に避けてください

また、山岳救助中の事故で物議を引き起こした積丹の救助事故のような例もあります。
積丹岳遭難事故で検索してみて下さい。いろいろな見解があるので、あえてリンクなしです。

救助要請の仕方

携帯電話が通じることが前提となりますが、110番へ通報しましょう。

山岳遭難であることを、担当に伝えれば、担当部署へ繋いでもらえます。もしくはコールバックされます。

救助要請で伝えること

慌てない。冷静になる。第三者に理解してもらえるように、頭のなかで一度整理しましょう。
重要な順に記します。

現在地

これが分からなければ、早急な救助は期待できません。GPSなどで現在地が分かる場合は緯度経度を伝えましょう。但し、殆どの方がGPSは所持していないと思われます。これまでの行動を振り返り、どれくらい前にどこを通過した。どこを目指していたなどの情報を伝え、地形の特徴(沢筋、尾根筋、岩場)や近くの目標物などを確認しましょう。

救助要請の内容と要救護者の状態

怪我の内容(骨折、出血多量)、病気の症状、道迷い、など
どうして救助を要請するのかをはっきりと伝えます。
ファーストエイドができた場合はその内容も。

要救護者の情報

氏名、年齢、性別、緊急連絡先など

現場の気象状況

ヘリコプターが飛べる視界、風、雨の状態など

携帯電話が繋がらない時は?

単独行でなければ、仲間に電波の入るところまで行ってもらい、救助をしてもらいます。
もしくは近くの山小屋か麓まで下山するか。
携帯電話会社によっても繋がったり、繋がらなかったりします。
山での接続率は一般的にdocomo>>>au>>SoftBankですが、山域にもよります。
複数のキャリアの携帯を持って電波を探すと良いでしょう。また、電話が繋がらなくてもメールやLINE、メッセンジャー等であれば繋がることもあります。

単独で、滑落など登山道を大きくはずれてしまい、動けない場合は、非常に困難です。
家族友人からの通報と、登山届の正確さ、探してくれる救助隊の力量によるでしょう。

単独行であれば最低ココヘリは準備しておきたいですね

COCOHELI ココヘリ | 山岳遭難対策制度
待つ人に、次の冒険に、もっと楽しむために“安心”を。山の遭難対策に、山の安心のすべて「ココヘリ」。

ヘリコプターの救助

天候が悪くなければ、真っ先にヘリコプターでの救助が行われます。
警察、防災、民間と、どれが来てくれるかわかりません。

ヘリコプターに早く見つけてもらうには

目立つ色の服やレシキューシートを振って、ヘリコプターにサインを送ります。
手を振るだけでは、殆ど見つけてもらえません。

ヘリコプターの注意点

非常に強い風がやって来ます。また、短時間ではなく、処置している間もホバリングをしていると、意外と長時間になる場合があります。風で物が飛ばされないように、事前に片付けておくことも必要です。また、風で体温が下がるので、暖かくしておきましょう。砂埃が舞い上がる場合もあります。

実際に救助を要請することは多くないと思いますが、
イメージをしておくことは大切かと思います。

私は20年年もガイドしてきて、1回も救助を要請したことはありません(^^)
ヘリコプターの写真は、九重山でレスキューの手伝いをした時のものです。

セルフレスキュー① 救助要請をするケースとは
対に起こしたくない、山での遭難や事故。しかし、自然の中に入っていく登山は、何があるかはわかりません。いざという時の準備や心構えは絶対に必要です。また、事故現場に出くわすこともあるでしょう。というわけで、セルフレスキューについてまとめてみたいと思います。
セルフレスキュー② セルフレスキューに必要な装備
セルフレスキューに必要な装備についてまとめてみました。多くのギアを持っていけば、それだけ色々なことができるのですが、当然のように重たくなります。また、どういうパーティー編成で山に入るかでも変わってきますよね。必要最小限の装備にしましょう。
セルフレスキュー 搬送方法
病人やけが人が出た時の搬送方法について、プロガイドが教えるセルフレスキューシリーズ④ 背負い方にもいろいろな方法があり、安全な場所までの距離や登山道の整備状況によって、様々な選択肢があります。私はガイドでもない限り、2つのやり方を思えておけばいいと思っています。

 

タイトルとURLをコピーしました