セルフレスキューに必要な装備についてまとめてみましょう。
もちろん、多くのギアを持っていけば、それだけ色々なことができるのですが、当然重たくなります。
また、どういうパーティー編成で山に入るかでも変わってきますよね。
・単独行
・2人
・3〜9人のパーティー
・10人以上の大パーティー
そして役割もそれぞれ
リーダー、サブリーダー役なのか、初心者で連れて行ってもらう側なのかでも違います
単独行でも絶対に持っていくべき基本装備
セルフレスキューに必要な装備が特殊な訳ではありません。最も必要なのは、通常の登山で持っていく装備です。
レインウェア
登山では当たり前の中の当たり前の装備。
これ無しで山に入ること自体ありえません。雨を防ぐのはもちろん、風も防いでくれます。
予期せぬアクシデントで、厳しい山の環境から体を守ってくれるレインウェアは必須!
地図とコンパス
最近発売されたセルフレスキューの本には、地図のことが一切書かれていなくて驚きました。
歩行中はもちろん、アクシデントに備えて地図は絶対に必要。現在地がわからないとレスキューは呼べない。エスケープで予定外の道を歩くこともありえます。地図も登山では絶対に必要。そして読みこなせる練習をして下さい。もちろんスマホやGPSも重要です。
ヘッドランプ
これがないと、日没後の行動ができません。ビバークする時にも必要になります。
必ずザックの中に入れておきましょう。
携帯電話
緊急時の通信手段。スマートフォンの地図アプリがあれば、ほぼ正確な現在地が把握できます。スマートフォンはバッテリーの消耗が早いので、充電用のバッテリーも持参したほうが良いでしょう。
非常食
山の中では食べない、緊急時用の食料のこと。
軽い、カロリーが高い、日持ちするものがおすすめ。
単独行でも可能なら持っていきたい装備
私が単独行の時にいつも持っていく+αの装備
絶対必要なわけではないが、持っていって欲しいもの
個人用ツェルト
かぶるだけで利用できる、個人用のツェルト。
レインウェアとの併用で高い効果が期待できます。ツェルトを張る技術もいらないし、非常にコンパクト。これを持たない場合はアルミ蒸着のレスキューシートを持っていきましょう。
ファーストエイド
薬や包帯、テーピングなどを入れた救急セット。
最低限として、バンドエイド・三角巾・テーピング・消毒液・滅菌ガーゼ程度は持っておきたい。パーティーが大きくなると充実させましょう。
パーティー登山で持っていくべき装備
人数が多いということは、アクシデントの確率も上がります。必ず判断力のあるリーダーを決めて、歩いて欲しい。パーティー登山になれば、個人装備ではなく共同装備として以下のものを準備しましょう。
そして、使えるように練習しておくことが非常に重要!
ロープ
一般登山道ではザイルまでは必要ないが、補助ロープは欲しい。太さは7mm程度で10mほど。ツェルトを貼る場合や、危険箇所の通過、簡単なレスキューなど万能。個人的にはファイントラックのダイニーマのフローティングロープがコンパクトで強度もあるのでおすすめ。あくまで補助で、クライミングへは絶対に使用してはいけませんよ。
ツェルト
ビバークに欠かせない装備。数人なら簡易テントとして寝ることもできる。
座って過ごすなら、もっと多くの人が雨風を凌げます。
カラビナ&シュリンゲ
ロープとツェルトを持っていくなら、カラビナとシュリンゲがないと効率よく使う事ができません。
ガスバーナー&コッヘル
アクセデント時には、お湯が欲しい場合があります。温かいものを飲むだけで、ある程度の疲れはとれます。
大パーティーの登山で持っていくべき装備
パーティーが大きくなると、さらに安全管理の責任が増します。
大きな事故がある可能性も想定に入れて、アクシデントでもそれなりに対応できる体制を整える必要があります。これまでの共同装備に追加で以下のものを持っていきましょう。
ザイル
最低でも8mmで20m、できれば30m。
もちろん持っていくだけではなく、最低限のロープワークは身につけましょう。
大型ザック
レスキュー時には搬送者の荷物を入れたり、搬送に使ったりとパーティーに一つは欲しい。
靴底のしっかりした登山靴
背負い搬出をする場合、トレッキングシューズやトレランシューズのような柔らかい靴では、困難です。底が曲がらない、しっかりしたライトアルパインブーツ以上のものがオススメです。リーダーはしっかりした靴を履いておきましょう。
以上のものがあるからといって、セルフレスキューができるわけはありません。
必ず使う練習をして下さい。
自己流と独学のレスキューはしないこと!!
※このサイトは私のセルフレスキュー講習会に参加した方の復習用として制作しています。
参考にしていただくのはありがたいですが、必ず経験者からの指導・研修を受けて下さい。書籍やネットだけでのレスキューの独学は非常に危険で、仲間をさらなる危険に晒す場合もあります。