登山ガイドの沖本です!
2024年の11月は、マレーシア最高峰のキナバル山に登ってきました。
前に登ったのがコロナ前だったので、6年ぶりくらいになります。手配していて驚いたのが、実際にかかる原価の大幅なアップ。円安と現地の物価の急激な上昇。もうマレーシアは旅行するのに安い国じゃないですね。登山の費用もかなり値上がりしました。これくらいでいけると思うよって伝えた予想の参加費を大きく超えてしまい申し訳ない限りでした。
この先も値下がりするより、値上がりする確率のほうが圧倒的に高いと思うので、行ける時に行くのが正解!
キナバル山とヴィアフェラータの日程
これまでは基本的にマレーシア航空でコタキナバルまで行っていたのですが。航空券があまりにも高いので、韓国経由のLCCに変更しました。コタキナバルの出発が遅くなったので、クリアス川のクルーズが可能になりました。キナバル山は1泊2日でヴィアフェラータはロングコースのローズピークサーキットです。
① | 関西空港✈ソウル✈コタキナバル |
② | =キナバル山登山口(1890m)…ペンダントハット(3289m) |
③ | …キナバル山(4095m)…ヴィアフェラータポイント(3776m)…登山口=コタキナバル |
④ | =コタキナバル散策=クリアス川クルーズ=コタキナバル✈ |
⑤ | ✈ソウル✈関西空港 |
キナバル山登山とヴィアフェラータ
ペンダントハットまで
関空を出発して、ソウル経由でコタキナバルへ。ソウルでの待ち時間は結構ありますが、意外に快適。飛行機は狭いっちゃ狭いのですが、許容範囲。もちろん、機内食とかドリンクはないので購入が必要です。ソウルの待ち時間は自由行動。私はラウンジでのんびり、外にご飯に行ったメンバーもいました。
コタキナバル空港に着いて、市街のホテルにチェックインすると、夜中になりました。登山用のパッキングは基本的に日本で済ませておくように伝えていました。
朝早くから、登山口に向け出発です。
キナバル山が見えてきました。電線だらけなのがアジアっぽい。
登山口手前のオフィスに到着。これからすぐに登れるわけじゃなく、手続きが必要です。各自にIDが発行され、パスポートのチェックも行われます。もちろん事前に予約して個人情報は登録済みです。入山料は外国人とマレーシア人で異なります。このあたりは、富士山の関係者は大いに参考にするべきでしょうね。個人的には富士山の登山者は1/10まで減らしてもいいと思っています。
IDカードを貰えば、準備OK!
登山口まではワゴンで少し移動。IDのチェックが行われ、やっと登山開始です。来るたびに、外国人じゃなくて、マレーシア人登山者の比率が上がっているような気がします。初めて登った時は、ほとんどが外国人でした。
登山ルート キナバル山では500mごとに距離の表示があります。今日は6kmほどということですね。
スタートすると、いきなり滝まで下りです。ということは、明日の下山は滝を見たら登りということになります。これがしんどいんですよ(笑)
登山道はしっかり整備されています。どのパーティーも、出発時間がほぼ同じなので、最初は特に混雑します。日本人の靴やレインウェア等の装備は完璧です。
こういったシェルターが随所に備えられています。ゴミ箱と水洗トイレがセットになっています。汚水はパイプで山麓まで送られます。
遅くなりましたが、今回のメンバーです!
予想通りですが、あっという間にガスがかかってきました。荷物が大きいのはポーターさんを雇っていないからです!
黙々と登る感じになってきますね。
キナバルの植物といえば、ウツボカズラですね!
ネペンテス・ヴィローサという種類です。これはキナバル山とその周辺にしか自生しない珍しい種類です。日本人からすると、すべてのウツボカズラが珍しいのですが。
サイズ感がわかりにくいですよね。この種類はとても大きいです。
キナバル山でヴィアフェラータをする場合、15:00までにペンダントハットに到着する必要があります。急ぐ必要はないですが、のんびりしてるとあっという間に時間が経ってしまいます。
ラバンラタ小屋の下まで来ました。普通にキナバル山へ登る登山者は、ここに宿泊します。
ペンダントハットはこの少し上。階段を登った先にあります。
小屋に到着です。部屋に案内され一息ついたら、翌日の講習がスタート。まずはコースの説明から。
それが終わると、実際に使うギアを装着して使い方を予習しておきます。ワクワクしてきますね〜!!
講習が終わると、ガスが上がって山が見えてきました。よーく見ると、明日下ってくるヴィアフェラータのコースが見えますよ。
夕日がきれいでした。
食事はラバンラタ小屋まで下ります。バイキング形式でいっぱい食べられますが、そこそこの量で止めておくのが高所登山のポイントです。お腹いっぱい食べちゃダメですよ!
これは食べ過ぎ(笑)
小屋に戻ったら、翌日の準備をしておやすみなさい。翌朝は早いからね。
キナバル山山頂へ
2:20には準備完了! 小屋の前でガイドさんが来るのを待ちます。
小屋の前にはゲートが有り、鍵がかかっています。2:30に解錠されます。
深夜の登山は黙々と。急ぐと高山病になるし、遅いとヴィアフェラータの足切りにあいます。
4:40に3776mのヴィアフェラータ集合地点通過。
5:30頃になって、やっとヘッドランプがなしで歩ける明るさに。キナバル山の山頂のローズピークが見えてきました。
セントジョーンズピーク
5:50に4095m、キナバル山の山頂に到着です!! おめでとございます!!!
一眼を出して、記念写真を撮りましたが、とんでもないミスをしていました。。。 なんとカメラの手ぶれ補正が切れていたのです。山頂の写真がぶれています。ごめんなさい。
しかし、もう一つのカメラでも撮っていたので救われました! ていうか、一眼よりめちゃいい写真。
ヴィアフェラータ ローズピークサーキット
山頂に登れば、次はヴィアフェラータです。個人的には山頂に登るより、こっちのほうがメインな感じがします。
ホッとしましたね〜! でも急いで集合場所まで下ります。
写真撮りたいですが、ゆっくりしてられません。。。
明るくなったので、キナバル山頂部の岩盤の全容が見えてきました。
この岩が、他のどの山にもない唯一無二な雰囲気を醸し出しています。
登りはしんどくてゆっくりだったのですが、下りはあっという間
サウスピークを過ぎるともうすぐです。
6:50 スタートポイントに到着!
7:00 装備を装着して、ヴィアフェラータスタートです。
2パーティーに分けます。まずは、この2人からスタートです。いい顔してますね!
圧倒的な高度感!! ワクワクが止まらない!!
最初は高度感にドキドキ。緊張で震えていましたね!
でも、だんだん高度感は麻痺してきます。まだ腰が引けてますが、覚醒するまでもう少し。
ギアに命をあずけることに抵抗がなくなると楽しい!
慣れて楽しくなってきた??
吊橋も楽しいポイント
写真ではわかりませんが、揺らしてなんぼです(笑)
さらに橋はスリルが増し、足場がワイヤー1本になります!
ここまで来ると、どうにでもなれって感じ??
楽しいヴィアフェラータが終わると、登り返しが待っています。これがしんどい。。。
10:00 無事に一般道に戻ってきた時にはガスが出ていました。
お疲れ様! 疲れたけど楽しかったでしょ!!
山小屋に戻ってきました。充実感半端ないです。
12:00 山小屋を出発して、下山開始。ガスが晴れましたね!
そこから、登山口までがしんどいです。
大体の場合、雨も降ってきます。今回もしっかり降りました。
16:50 登山終了!! お疲れ様。
疲れましたね。私も疲れました。
専用車でコタキナバルまで戻り、ホテルへチェックイン。
シャワーを浴びて、着替えて、夕食へ。散歩しながら店を決めます。遅い時間になったので、空いています。
海鮮料理を頂きました。どれも美味しかった!! ビールも美味しかった。
この日はぐっすりと眠りました!!
ボルネオ観光
朝食はホテルでゆっくりと
キナバル山の登頂証明書とヴィアフェラータの証明書。どちらも立派です!!
ホテルに荷物を預けて、市内の散策。筋肉痛が襲ってきましたね!
デパートでお土産を買って、ローカルレストランで昼食。
午後はクリアス川のクルーズです。
ボートに乗って、テングザルを探しに行きます。
ばっちりテングザル見られました。
ミズオオトカゲ
コウハシショウビン
暗くなる頃にベースに戻って夕食をいただきます。
写真はないのですが、暗くなると再びボートで川に出て、ホタル観賞をします。
みんなの筋肉痛が炸裂して、ぎこちない動きに。ガイドさんがあの人達は昨日キナバルのヴィアフェラータやてっきたから・・・って説明しまくってるのがおかしかった。
クルーズが終了したら、空港へ向かい。深夜のフライトで帰国しました。
ご依頼、ありがとうございました!!!