と雪山のグローブは何を使っていますか??
私はこの3年ほどファイントラックのエバーブレスのオーバーグローブをメインに使っています。
雪山のグローブってなかなか満足できるものがないんです。
ファイントラックも防水透湿性素材を使っていますが、
実際は雪を触ると、解けて水が入ってきます(^^) そして保水します。
そして、それは他のメーカーも似たり寄ったり。
そこで、登場するのがSHOWAグローブの防寒テムレス!! 最近出た黒色は超人気!
従来の雪山用オーバーグローブの欠点とは
完全防水でない
これは仕方がないことです。複雑な生地縫製に防水透湿性素材を組み込み、縫い目にシームするなんて無理ですからね〜。でもメーカーによっては一瞬で水が入ってきます。実際の使用は氷点下で、水は基本的に氷の状態なので高い防水性は必要ないかもしれないですが。
私は、上記のファイントラックのグローブを南極に持っていき、上陸までのゴムボート移動の一瞬で海水が内部に浸透してきて、呆れました(^_^;) どこが防水??? ごっついだけで普通の手袋やん。。。と
生地が保水する
上記の完全防水でないに関連しますが、表面の生地や革が保水してしまいます。
雪洞を掘った時などによく分かるのですが、どうしても解けた雪が浸水してきます。通常の登山よりも雪洞を掘ると長時間雪を触ってしまうからです。運動量が多く、発熱していると多少の湿りは許せますが、放置しておくと、そのグローブがカチカチに凍っていたりします。それは生地が保水しているからです。次に使う時は不快だし、凍傷のリスクが高まります。
価格が高い
正直高いです。20,000〜30,000円前後の価格になるものが多いです。
縫製もややこしいし、防水透湿素材も使うし、保温もいるし。。。。
数も売れないでしょうから、仕方ないのは理解していますが。
防寒テムレスとは
SHOWAグローブの防寒作業用グローブのことです。
寒冷地では除雪作業等に使われています。
完全防水&透湿性
ポリウレタンで完全防水なのに透湿性があります!
蒸れにくいので、その名も「テムレス」です。

https://www.showaglove.co.jp/product/detail/professional/457
柔らかく温かい
-60℃でも硬化せずに柔らかく使えるそうです。-20℃位までしか試したことがありませんが、もちろん大丈夫でした。
そしてボアタイプの裏起毛があり、高い保温性を確保しています。
非常に高いコストパフォーマンス
テムレスの一番の特徴はこの高いコスパにあります。
なんと1,200円前後で購入する事が出来るのです!!
雪洞やイグルー作りには欠かせない
最もテムレスの効果を感じるのが、雪洞やイグルー作り。もはやこの手袋なしでは考えられない(^^)
防寒テムレスの欠点とは
登山用に開発された物でないので、欠点はいくつかあります。仕方ありません。
コスパに免じて許しましょう。
デザイン(見た目)が悪い
どこからどう見てもよくないです(^_^;)
我慢です。値段を考えると仕方ないです。。 最近は作業感のない黒色が販売されました! 青とどちらが好み?
匂いがキツイ
購入直後は、なかなか匂います。
寒い雪山ではあまり臭くないのですがね。。
登山用のデザインではない
見た目とは別で、オーバーグローブに必須のドローコードがありません。手首から雪も入りやすい。
防寒テムレスはビレイ時には使用してはダメ!
強烈な滑り止め加工がされているテムレスですが、それが問題となるケースがあります。それはアイスクライミングなどのビレイ時。デバイスに指が巻き込まれる危険があるらしいです。全てにおいて万能ということはないので、クライミングをする方は通常のオーバーグローブとWで持っていくようにして下さい。
防寒テムレスとオーバーグローブを使って比べてみた
上記から、テムレスってなかなかいいんじゃない!って思われた方もいると思います。
雪山のコンデションはその時によって違うので、ちゃんと比べるには同時に使ってみないといけません。ということで、右手に防寒テムレス、左手にオーバーグローブを装着して、実際に木曽駒ヶ岳に登ってきました。
見た目はこんなにも違います!
テムレスの作業感ハンパない(^_^;)
実際に同じ環境で使ってみて
3月の木曽駒ヶ岳を千畳敷から往復。天候快晴。出発時の気温-9℃、稜線上でも風は弱い。
以上の環境での比較です。
防寒性能・・・やや防寒テムレスの優勢
透湿性能・・・ややオーバーグローブの優勢
フィット感&ギアの操作感覚・・・ややオーバーグローブの優勢
ややオーバーグローブが優れていますが、通常の雪山登山であれば、
ぶっちゃけどちらでもいいというのが私の結論。
ただし、値段は10倍以上違います。
今回はラッセルがなく、雪洞も掘っていないのですが、そういった防水性の必要となるシーンではテムレスの圧勝です。
装備が揃ってない方は、スキー用の手袋を持って来たりします。
それなら絶対に防寒テムレスの方をすすめます。
どっちを選べばいいの? どう使えばいい?
私は、通常はファイントラックのオーバーグローブを使います。そして予備のグローブとして防寒テムレスを持参しています。気温が高く湿った雪、ラッセルが多くなる、雪洞を掘るなどの場合はテムレスを使用します。両方買えるなら、上記のような使い方を勧めます。
防寒テムレスを改造する
テムレスを改造して登山用途に近づけてみましょう。
作業手袋感が強く、評判の悪いテムレスのロゴは除光液で落とすことができます。
更にテムレスに穴を空けて、ドローコードを通しましょう。
これで、使用感はかなり改善されるはずです! ※友人の作品
防寒テムレス使用者増加中!
最近はパーティーに数名は青い防寒テムレスを使用しているメンバーがいます。
私がすすめれば、増えるのは当然かと思いますが(^^)
これからもっと増えるでしょう!
防寒テムレスを購入する
北海道のホームセンターではいっぱい売っていますが、西日本ではあまり販売していないようです。そういう時はAmazonで頼みましょう。すぐに到着します(^^)
探して買いに行く時間や、交通費を考えると、Amazonでの購入がスマート!
購入する場合は、一回り大きなサイズを買うことを勧めます。
雪山ではアンダーグローブを装着したいので、素手のサイズより大きいものを買って下さい。
そして、2枚重ねて使うようにしましょう。
私は通常Lですが、LLを購入しています。

10代から80代まで幅広い顧客に、登山やアウトドアスポーツを案内。日本百名山はもちろん、海外経験も50ヵ国、130回を越える。地理学を専攻していたので、地図や自然にも詳しい。登山専門旅行会社の元大阪支店長。山のガイドだけではなく、登山旅行のプランニングも得意。最近は離島、カヤック、サイクリングなどのアウトドアの依頼が急増中。