登山ガイドの沖本です。
2024〜2025年の年末年始はキリマンジャロを案内してきました。昨年に続いて、2年連続キリマンジャロで年越しです!
この記事では登山6日目について書きたいと思います。バラフキャンプからいよいよキリマンジャロの山頂へ。そしてバラフキャンプまで戻り、さらにムエカキャンプまで下るという、長い一日!
キリマンジャロの山頂アタックは、ほんとにしんどいです。普通の方は、写真を撮ろうという気力が湧いてきません。ここまで写真のあるブログは他にないと思います。
キリマンジャロ登山 マチャメルートの日程
今回のキリマンジャロの登山は、山小屋を使うマラングルートではなくて、テント使うマチャメルートです。マラングより1日長くなり、テント泊ですが、山の景色とかはマチャメの方が素晴らしいです。今回は旅の8日目で、登山の6日目について書いています。
① | 関西空港よりカタールのドーハ空港へ |
② | ドーハで乗り換え、キリマンジャロ空港へ。キリマンジャロの麓、モシのホテルへ |
③ | マチャメゲート(1800m)からマチャメキャンプ(3100m)へ |
④ | マチャメキャンプからシーラキャンプ(3845m)へ |
⑤ | シーラキャンプからラバタワー(4600m)まで登り、バランコキャンプ(3960m)へ |
⑥ | バランコキャンプからバランコウォールを登り、カランガキャンプ(4035m)へ |
⑦ | カランガキャンプからバラフキャンプへ(4640m)へ |
⑧ | バラフキャンプからステラポイントを経て、キリマンジャロ・ウフルピーク(5895m)へ。ムエカキャンプ(3100m)へ下山 |
⑨ | ムエカキャンプからムエカゲート(1640m)へ モシのホテルへ。 |
⑩ | アルーシャ国立公園でサファリ。キリマンジャロ空港からドーハへ。 |
⑪ | ドーハ経由で関西空港へ |
GARMINからGXPファイルを読み込んで、わかりやすく情報を追加してみました。
これまでのキリマンジャロの記事はこちら
















バラフキャンプからキリマンジャロ山頂
長い長い1日の始まりです! この日のために頑張ってきました。
キリマンジャロ山頂アタック
深夜、睡眠も程々に山頂アタックへの準備。軽い食事を摂ります。
トーストやビスケットなど。そして、どん兵衛のマグうどん。
このキリマンジャロの話が出たのが、2023年の6月。1年半かけて準備。2024年1月1日23時30分、いよいよアタック開始です。
暗くて写真撮ろうという気分になかなかなりませんよね。
時間が経つと、だんだん寒くなってきます。
スマホ写真じゃわかりにくいけど、南十字星出てます。
一眼レフは山頂には持っていきません。重たいし、息止めて撮るのでしんどいし。持っていってもきっと殆ど使わないかと思います。
ただただ、ひたすらゆっくりと、砂の斜面を登っていきます。
寒いし、しんどいし、眠いし、この時間が永遠に続くんじゃないかと思うような錯覚になります。
この時間がキリマンジャロで一番しんどい。
ひたすら登ること、5時間半 ステラポイントは真っ暗なうちに過ぎました。
そして、明るくなり、太陽が近づいてきました。
絶景が見えてきます。こんな所まで来ていたのか!!ってなったはず。
山頂はまだ先!
この先はほとんどが動画からの切り取り画像になります。画質悪いですが、ご了承ください。
真っ暗の世界から、太陽の世界になると、テンションがバク上がりしています。
写真では太陽が昇ったかのように見えますが、まだ日の出前
この時、全員が「イケる!」と登頂を確信したと思います。
マウエンジ峰を背に、一歩ずつ、一歩ずつ
私は撮影の為に、先へ行ったり、横へ行ったり。きつかった〜(笑)
空の色が美しく、雪を冠った山頂部。雪は多すぎると大変ですが、土を覆っているくらいだととても良い。
そしてご来光! 山やってきて良かった!!と思える瞬間。
一眼で撮ればいい写真なのはわかりますが、ここでは不可能。撮影のために登るのであれば可能でしょうが。この日はムエカキャンプまで下るので。
山が色づいてきました。
辛いよりも楽しいが勝ってる!
山頂が見えるまで、もう少し。
このあたりの記憶って、曖昧になりがちです。よく覚えてないけど歩いてたみたいな感じで。
キリマンジャロの山頂へ行くときは、長い夢をみたようだと。
こうやって、しっかり写真に残していくと、記憶が定着しやすい。
メルー山が見えてきました!
山頂の看板が見えてきました!
あと少し!
その少しが遠い… キリマンジャロ、デカすぎ(笑)
そしてやっと・・・
キリマンジャロのウフルピーク(5895m)登頂です!
まず、荷物を降ろします。
普段なら何でもない重さなのですが、ここでは普段の何倍にも感じます。
山頂から見たキリマンジャロのお鉢
登山者が他にもいますが、これでもかなり早い時間帯です。
普通の日本人のグループなら1時間以上遅く到着します。はっきり言って、優秀!
さて、記念写真を撮りましょう!
いつものポーズでも! このポーズ作るのはきつかったはず(笑) 何回もNGに…
5人で! こういう瞬間に立ち会えたこと、この仕事をやってて良かったと思います。
登頂祝のネックレスを頂きました!
支えてくれたスタッフと
最後に赤道直下の氷河とソロ写真
キリマンジャロ山頂からバラフキャンプ
さて、下山開始です。あれだけ寒かったのに、太陽が昇れば暖かく感じるようになります。
太陽の眩しさと雪の照り返し半端ないので、サングラスは絶対に必要。あっという間に雪目になりますよ。
少しずつ小さくなっている氷河。次に来た時はどうなっているかな?
登りが嘘のように下りが楽なのは、高所登山あるある。
充実感に溢れてるかといえば、早く酸素の濃い所まで下りたい!!っていうのがきっと本音。
暖かくなっても、酸素が薄いのは変わらないから。
他の登山者が見えなくなった僅かな時間。
ステラポイントを目指します。
影がいい感じに!
ステラポイントまで下りてきました。登りではここは真っ暗だったので、写真を撮らないで、少し休んだだけで通過した場所です。
ここがマチャメルートからキリマンジャロのお鉢に到着したポイント。この先は富士山のようなザラザラの砂斜面になります。
この先は、ホントに一気に下るという言葉がピッタリ。左の踏み跡は、ギルマンズポイント行き。一般的なマラングルートは左の道になります。
大きな富士山的な道。登山道に雪はなくなり、ドンドンと体感気温が上がっていきます。
登り返せと言われたら、絶対に嫌!
強い紫外線と乾燥。そしてカロリーの不足。お腹減ります!
登りはゼリー系を中心に摂りますが、下りはナッツ中心の行動食へ変更。
最初は勢いよく下っていきますが、しんどいのはこれから。アドレナリンが切れてからが勝負!
バラフキャンプで長く休憩するので、出し切っていい。
そしてバラフキャンプへ。
バラフキャンプからムエカキャンプ
ただいまバラフキャンプ!! 10:20でした。
ここから1時間程度休みます。テントで寝てもいいし、ダイニングテントでおしゃべりしてもいい。
私はいつも気絶したように眠ります(笑) でも遠くから女子の笑い声が聞こえていたような気がします。
11:30に昼食
男はパワーダウン
女はパワーアップ!
これはしんどい山を下りた時に幾度となく見てきた光景(笑)
あんまりゆっくりすると、下山が遅れるのでそろそろ下りましょう。
まだ続々と下山してきます。みんなお疲れです。
この景色ともお別れ。
すぐにガスの中になりそう。雨に降られないことを願います。
ガスの中、3950mのハイキャンプまで下りてきました。
ここから道が悪くなります。
ムエカキャンプまであと少し! 時計やGPSを見る回数が増えました。
ムエカキャンプ16:20に到着!!! 長い一日でした!!
体を拭くお湯が嬉しかった。
キリマンジャロ最後の夕食! お肉がずっと出てきていますが、これは途中でポーターさんが麓から持って登ってきてくれています。一週間持ち歩いているお肉ではないので、念の為。お酒も出てきましたが、やめておきました。
再び星を撮る元気出てきました(笑)
とても長い一日。私も疲れました。
山頂付近で動画を撮るのはしんどいとわかっていましたが、やはりしんどかった。。。。今回と同じことをキリマンジャロで余裕を持って案内するには、体力の限界が近づいてきたような気がします。
※旅行会社のキリマンジャロツアー添乗員のレベルの働きでいいなら、まだまだ大丈夫ですよ! 個人ガイドでやっている以上、ツアーには負けないサービスしないといけませんからね。
明日はキリマンジャロ登山7日目。